DeNA新戦力を考える① ~ようこそベイスターズへ~

新戦力

こんにちは!三浦ベイ輔です。

ストーブリーグが始まり、連日選手の移籍、獲得の話で賑わっている今日この頃。
そしてベイスターズにも2024シーズンより新たに3選手が加わってくれることになりました。

ドラフトで中長期的な視点から野手中心の指名をしたベイスターズ。
早速、今度は3名の投手を戦力外から補強しました。

本日はベイスターズに加わった3選手の強みや特徴やデータから考えてみたいと思います。

森 唯斗

まずはソフトバンクから戦力外通告を受けていた森唯斗選手。

クローザーとしてホークス黄金期を支えた森選手。そんな森選手の昨年の成績はこちらです。

1軍
6試合
29.1イニング
防御率 4.60

2軍
12試合
64.1イニング
防御率1.54

今年から先発転向した森唯斗選手。
2軍では防御率1.54と素晴らしい防御率を残したものの、1軍では6試合に登板し、防御率4.60と奮わず。多くの時間をファームで過ごした1年となりました。

一見すると「先発転向の失敗」「衰え」といった言葉が浮かんできますが、実際はどうだったのか。
投球内容を詳しく見てみましょう。

1軍
K%(三振率):21.4%
BB%(四球率):7.1%

2軍
K%(三振率):23.5%
BB%(四球率):2.9%

先発転向後も1.2軍ともにしっかりと三振は奪えています。
通常中継ぎ時と比べると奪三振数は下がりがちですが、キャリア平均と大きく差がないのは素晴らしいですね。
1軍では四球もある程度与えたものの、2軍では2.9%と素晴らしい水準。
内容自体は悪くないように見えます。
2軍でのK-BB%は20%を超える水準。60イニング以上投げたファーム投手で2番目の数値です。
2軍実績で言えば大貫投手よりも各指標において優秀な数値を残しており、1軍でも活躍してくれる可能性はあるように思えます。

では一見悪く見える防御率の要因は何だったのでしょう。

LOB%(出塁させた走者の非帰還率)
キャリア平均 75.4%
2023年 64.3%

要因として考えられるのはLOB%の下振れ。
LOB%とは出塁させた走者を生還させなかった割合。
粘り強さを表す指標ですが、年度相関性が低く運の影響が強いとされています。
この指標がキャリア通算よりもかなり低く出ていることから、不運の要素も影響しているように見えます。

以上のことを考えると森投手の先発転向および今季のパフォーマンスは決して内容が悪いわけではないと捉えることもできそうです。

一方で森投手と言えば、得意のカットボール中心に力で押しているイメージ。
あまり先発タイプというイメージが薄いかもしれませんが、どのようなピッチングをしているのでしょうか?

球種割合
2020年
カットボール 50.3%
フォーク 21.4%
ツーシーム  14.9%
ナックルカーブ 9.8%
ストレート 3.6%

2023年
ストレート 26.5%
カットボール 24.8%
ナックルカーブ 16.2%
ツーシーム 11.6%
チェンジアップ 11.1%
フォーク 9.7%

抑え時代はカットボールの投球割合は50%を超え、ストレートはほぼ使わないシーズンもあった森選手。しかし今年は投球スタイルを大きく変え、6つの球種をバランス良く投げるスタイルにモデルチェンジしました。今年から増やした遅いチェンジアップ等も駆使し、1軍では全球種で三振を獲得しているのも大きなポイント。ここまで変化していると全く別の投手と言っても過言ではないくらいです。

これだけスタイルを変えながらも奪三振能力や四球率もそれほど全盛期と変わっていないのは凄いですね。

以上の事やベイスターズ先発投手の頭数を考えると、個人的にはローテの一角として見てみたいと思ってます。
右内転筋の怪我や球速が年々下がってきていることは懸念ではありますが、先発、中継ぎ経験、そして優勝経験のある右腕の加入はチームにとって大きなプラスであるはず。

期待しましょう!

中川 颯

続いてはオリックスから中川颯選手。
2020年ドラフトで支配下選手としてオリックスにドラフト指名されるも肩の不調で2023年からは育成契約となっていた中川選手。
今シーズン1軍での登板はなかったものの、2軍で無双していた選手です。

2023年(2軍)
防御率 1.38
K% 29.1%
BB% 3.4%
K-BB% 25.5%

なんとまあ文句のつけようがない成績です。
K-BB%は25.5%と30イニング以上投げたファーム選手だと6番目の数値。
ベイスターズ投手で同条件で絞ると、中川虎大選手(21.7%)や宮城滝太選手(20.9%)をも凌ぐ圧巻の数値です。

中川選手の強みはまず制球でしょう。

2023年 
ストライク率 : 50.1%(9位/175位)
初球ストライク率 : 57.0%(3位/175位)

ストライク率はファームトップクラス。初球ストライク率もファーム全体で3位と素晴らしい水準です。
とにかくカウント有利な状況を作り、どんどんゾーン内で勝負していくスタイルです。

投球割合
ストレート 50.8%
スライダー 30.4%
カーブ 13.4%
シンカー 4.5%

平均球速は132.3km/hながらストレート中心のスタイル。
アンダースロー特有の浮き上がるストレートで押すスタイルであることは打球傾向にも表れています。

内野フライ割合
2軍通算 25.1%

※リーグ平均 13.7%

内野フライの割合は平均の倍近くとノビのあるストレートでポップフライを量産していることが良くわかります。
内野フライはヒットになる可能性が極めて少なく、三振と併せて「完全アウト」とも言われますが、三振率も高く、完全アウトの割合が50%を超えているのが中川選手の面白いところ。
安定したピッチングが出来ている要因と言って良いでしょう。

しかし一方でシンカー系のボールをそれほど投げないことから不安に感じるのが、アンダースローの天敵「左打者への対応」になるかと思います。

対左投手
被打率 .174
K% 28.0%

左打者に対して逃げるボールをほぼ使っていないながら、2軍レベルでは右打者と変わらず抑えることが出来ています。
ストレート、スライダーともにしっかりと左打者の内角に投げ込めているように見えるので、ここも良い部分ですね。

現状は中継ぎでの起用が中心ですが、3イニング以上の回跨ぎもこなしており、様々な起用が想定できる選手。
1軍経験は少ない選手ではありますが、きっとベイスターズ投手陣を支えてくれる選手になってくれることでしょう。
投球を見るのが楽しみな選手。期待しましょう。

堀岡 隼人

続いて巨人を戦力外となっていた堀岡選手。
育成選手としての獲得になりました。

2023年(2軍)
防御率 1.87
K% 27.9%
BB% 8.3%

堀岡投手に関しても2軍では圧巻の成績。
やや森選手や中川選手と比較すると四球率は高めではあるものの、ベイスターズで言えば宮城投手、中川投手と同等のK-BB%を誇っています。

堀岡選手の1番の魅力は球のキレだと思っています。

Whiff%(空振/スイング) 30.6%
ボール球空振率 54.4%

Whiff%とボール球空振率は50イニング以上投じたファーム投手の中でトップの数値。
空振りを奪う能力はファームトップレベルと言っていいでしょう。

フォーク
Whiff%(空振/スイング) 48.3%

特に素晴らしいのは決め球として使っているフォークボール。
スイングされても半分程度しかバットに当たっておらず、素晴らしい質であることがよくわかります。

キレのあるボールを活かした奪三振能力こそ堀岡選手の強みと言えるでしょう。

一方で課題と言われているのが制球面。
Zone%(ストライク率)はファーム投手の中でも下位の方。
1軍昇格時も四球で崩れてしまっている印象。
ここがどうなっていくかが今後の課題になりそうですが、少しづつ改善傾向にはあります。

2軍
四球率
2022年 13.5%
2023年 8.3%

Zone%(ストライク率)
2022年 38.6%
2023年 43.2%

昨年と比較すると四球率もZone%も大きく改善。投球が安定してきたようにも見えます。
来年には更に改善している可能性も大いにあるでしょう。

余談ですが、個人的に堀岡選手は戦力外になって最も驚いた選手の一人。
ファームで横須賀軍相手に投げている姿を見る限りだと、何故2軍にいるのか不思議なほど良いピッチングをしていました。

2023年
対DeNA2軍
9試合
防御率 0.00
K% 25.0%
BB% 4.5%
被打率 .119

改めて対DeNAでデータを見てみると印象通り。
ベイスターズがすぐに獲得に動いたのも納得ですね。

まずは支配下を目指しつつ、将来的には勝ちパの一角を担う選手になってほしいですね。
期待しましょう!

最後に

いかがだったでしょうか?

新たにベイスターズの一員となった3名の選手。
3名ともファームでは素晴らしい成績を残しており、1軍での活躍も十分に期待できる選手だと思っています。

どんな活躍をし、ベイスターズにどのような影響を与えてくれるのか。
楽しみながら応援してきましょう!

※データはOne Point Zero Two|1.02 (1point02.jp)より引用

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